管理人より

 このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
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11月の国際化学肥料ニュース

* インドMMTC社が11月6日行った尿素の国際入札は11月14日開札した結果、21社が応札、応札数量360万トン。最低応札価格はAmeropa社のCFR西海岸333.73ドル/トン、Dreymoor社のCFR東海岸335.19ドル/トン。前回(9月25日告示、10月5日開札)の尿素応札価格に比べ、約20ドル/トン安くなっている。

* 関係筋の情報によれば、中国はアメリカによるイランへの制裁をうまく利用して、密かにイラン産尿素を輸入し、そのままインドまたはパキスタン、アフリカなどに転売し、利さやを稼ぐ動きがある。10月から11月中旬まで7船のイラン産尿素が中国煙台港に入港することになった。そのうちの3船はインドMMTC社が9月25日告示、10月5日開札した尿素の国際入札に供給するものである。なお、インドMMTC社の尿素入札はアメリカからの要請を受け、イラン産尿素の応札を公式に排除したと表明した。
 その動きにより、10月からイランから中国向けの非イラン籍船舶の船賃を大幅に値上げし、8月に比べて11月の船賃が倍になった。

* オーストラリア政府のアンチダンピング委員会は中国、スウェーデンとタイから輸入した硝安に対して、不当廉売と認定し、10月25日から中国からの硝安に39.5%、スウェーデのンYara AB社からの硝安に51.8%、タイからの硝安に37.1%のアンチダンピング関税を徴収すると発表した。

* 旺盛な需要に支えて、10月末もブラジルと東南アジアの塩化加里価格がゆっくり上昇し続いている。2018~2019年度のブラジル塩化加里輸入量が1000万トンを超える見通しで、すでに粒状塩化加里のCFR価格が350~360/トンになり、昨年同期より約20%高くなっている。
 一方、先月インドネシアのSinar Mas社が行った塩化加里の国際入札において、CFR315ドル/トンで10万トン塩化加里を契約した。9月の価格より5ドル/トン上がっていた。また、マレーシア土地発展局が10月23日に行った肥料入札において、1.6万トン塩化加里を契約した。同じマレーシアのKulim社が9万トン塩化加里、Sarawak Oil Palms社が5~6万トン塩化加里を求めている情報がある。今年中、塩化加里の高値が続いている見通しである。

* 11月第2週、リン安の市況が一段と弱くなっている。その原因はインドとパキスタン、ブラジルの需要が減っているためである。中国のDAP価格が半年振りにFOB408~410ドル/トンに下がり、サウジアラビアのMa’aden社もパキスタン向けのCFR価格を430ドル/トンまで下がった。
 一方、モロッコOCP社はアメリカへの輸出を強化している。11月2船、12月1船計3船34万トンDAP/MAPの輸出を決めた。昨年末アメリカMosaic社がフロリダ州にあるPlantリン酸工場を閉鎖してから、リン安の輸入量が急増した。今年末までさらに40万トンのリン安を輸入する可能性がある。

* エチオピア政府は国際機関から12億ドルの資金を獲得した。この資金は先日入札で購入を決めた62.5万トンリン安と化成肥料の代金支払いに充てられる。なお、モロッコのOCP社がこの入札で肥料全量を落札した。

* カナダのNutrien社が第3四半期に390万トン塩化加里を販売し、前年より17%増で最多記録を更新した。それても旺盛な加里肥料需要に応えられず、ヨーロッパおよび東南アジアの粒状塩化加里価格がゆっくり上昇している。その傾向は来年2月まで続くだろうと見ている。

* 硫安が初めて中国の輸出肥料の首位に立った。中国税関の統計によれば、1~9月の硫安輸出量が19.9%増の493.9万トン、第2位のDAPより9.5万トンも多い。1~9月毎月硫安輸出量が35万トンを超え、6月が67万トン、8月が64.5万トンを輸出した。中国硫安の輸出先はベトナム、フィリッピン、マレーシアなど東南アジアのほかブラジル、トルコにも大量に輸出した。
 1~9月硫安の平均FOB価格が116.8ドル/トンで、前年同期より10.9%上昇した。11月現在は鉄鋼副産硫安のFOB価格が115ドル/トン前後で、カプロラクタム副産硫安のFOB価格が120~130ドル/トンに上がった。

* ロシアのEuroChem社が第3四半期の業績を公表した。化学肥料販売量が7%増の350万トン、その内訳は尿素が19%減の48.2万トン、DAPが1%増の27.5万トン、MAPが5%増の32.8万トン、硝安が27%減の29.1万トン、尿素硝安液肥(UAN)が27%増の28.7万トン、化成肥料が22%増の90.9万トン。売上高が23%増の14.4億ドル、粗利益が40%増の5.86億ドル。

* 11月5日、カナダのNutrien社はカナダニューブランズウィック州SussexにあるPicadilly Potash Mine加里鉱山を永久閉鎖すると発表した。当該加里鉱山は2015年末に一時閉山し、2016年に一度メンテナンスを行ったが、採掘コストが高いため、その後再開されていない。当該加里鉱山の完全閉山により、帳簿上約18億ドルの固定資産が除去される。

* ロシアのUralkali社は塩化加里の在庫がないため、インドと中国との2018年度の塩化加里輸入基本契約を結んでいない。Uralkali社の発表によれば、2018年12月と2019年1月の塩化加里生産予定分がすでに予約販売済みで、インドと中国にまとめた数量の輸出が不可能になったためである。

* 10月最終の週にはインドとブラジルの需要が非常に弱いため、リン安の国際市況が下がり続いている。インド側のDAP価格要求はCFR410~420ドル/トンで、中国のFOB価格が405ドル/トンまで下がったが、契約に至らなかった。ほかはロシアのEuroChem社がブラジルにCFR455ドル/トンで1万トン粒状MAP、アメリカのMosaic社がカナダにFOB428~430ドル/トンで10万トンMAP/DAPの輸出契約を結んだ。需要不足で来年1月までリン安の国際市況が弱みで推移するだろう。

* 中国の上場している肥料メーカーの業績が大幅に改善された。上場している22社の2018年1~9月では純利益80.43億人民元(約11.66億ドル)、昨年同期より220.13%増で、最高記録を更新した。そのうち窒素肥料メーカー11社の純利益が851.11%増の60.76億人民元(約8.8億ドル)、リン酸肥料メーカー2社の純利益が147.25%増の2.08億人民元(約3000万ドル)、化成肥料メーカー6社の純利益が12.46%増の22.2億人民元(約3.22億ドル)である。加里肥料1社だけが赤字で、赤字額12.13億人民元(約1.76億ドル)。業績が改善された理由は環境検査と政府の生産規制で稼働率が下がり、化学肥料生産量が大幅に減少したことにより出荷価格が大幅に上昇したためである。

* 中国国家統計局の最新データによれば、9月の中国化学肥料生産量が0.1%減の496.5万トン(純N,P,K換算)、その内訳は窒素肥料が4%減の306.2万トン(N換算)、尿素の実生産量が5%減の204.5万トン、リン酸肥料が8.5%増の124.5万トン(P2O5換算)、加里肥料が9.6%増の65.8万トン(K2O換算)。

* 10月22日開札されたパキスタンの10万トン尿素入札では応札価格が10月5日開札のインドの尿素入札より大幅に下がった。中東産尿素がFOB328~330ドル/トン、中国産尿素がFOB320ドル/トンに相当する。

* 11月7日開札されたバングラデシュの尿素入札では、最低応札価格が普通尿素ではCFR378.70ドル/トン、大粒尿素ではCFR379.87ドル/トンである。大部分の応札が中国産尿素である。

* 11月6日インドMMTC社が新たに尿素入札を行った。開札が11月14日、船積期限が2019年1月7日、購入数量が不定量。また、11月6日パキスタンも5万トンの尿素入札を行った。

* 中国税関の最新データによれば、2018年10月の化学肥料輸出量が64.9%増の297.6万トン、金額が124.6%増の9.94億ドル。一方、2018年10月の化学肥料輸入量が47.3万トン、金額1.52億ドル。

* オーストラリアのBHP社は中国の中農グループと塩化加里販売契約を締結した。BHP社が開発しているカナダにあるJason加里鉱山から産出する塩化加里を中農グループが中国国内に輸入販売する内容である。Jason加里鉱山が2022~2023年に第1期工程を完成し、稼働し始める計画である。塩化加里の設計生産能力が400万トン/年、世界最大級の加里鉱山である。

* イスラエルのICL社が第3四半期の業績を公表した。加里肥料生産量が2.5%減の115万トン、販売量が13.7%減の120万トン。リン酸肥料生産量が25.5%増の61.5万トン、販売量が8.9%増の61.4万トン。加里肥料とリン酸肥料の価格上昇で、純利益が54%増の1.29億ドル。

* ロシアのPhosAgro社が1~9月の業績を公表した。化学肥料生産量が9.8%増の670万トン。その内訳は尿素が46%増の120万トン、硝安その他の窒素肥料生産量が34%増の160万トン、MAPとDAP生産量が2.4%減の220万トンであるが、リン酸塩と飼料用リン酸二カルシウム生産量が4.1%増の510万トン。販売については、化成肥料販売量が12%増の210万トン、NPS肥料(硫リン酸系化成肥料)販売量が3.4%増の29.8万トン。ウクライナの制裁措置により、旧ソ連の加盟国で構成される独立国家共同体への化学肥料輸出量が60%減ったが、EU、南米と北米、インドへの販売量がそれぞれ30~50%も増えたため、全体の販売量が増加した。

* サウジアラビアのM’aaden社が第3四半期の業績を公表した。リン安生産量の増加と出荷価格の上昇により、純利益が98%増の1.38億ドルになった。

* 中国政府はリン鉱石資源を保護管理するため、2019年1月1日からリン鉱石の輸出に輸出許可状制度を導入すると発表した。すなわち、リン鉱石を輸出するものは事前に政府に輸出許可を申請し、許可された場合に限って輸出できる制度である。

 

2018年化学肥料ニュース