管理人より

 このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
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4月の国際化学肥料ニュース

* モロッコのOCP社がインド側と第2四半期の粗リン酸価格の交渉で、CFR728ドル/トンと決定した。現行価格より22ドル/トンの値下げである。これはDAPの国際市況が低迷し、価格が下落した現状を追認したものである。

* 中国では尿素の輸出減少をよそに、硫安の輸出が大幅に増加した。中国税関の統計データによれば、2018年の硫安輸出量が682.1万トンに達し、新記録を樹立した。2019年1~2月にすでに昨年同期より8.7%増の94.5万トンを輸出した。平均輸出単価118.6ドル/トンで、昨年より5.9%上がった。主な輸出先はブラジル、インドネシア、トルコ、ベトナム、フィリピン、マレーシアである。

* 中国税関の速報によれば、2019年3月の化学肥料輸出量が24%増の200.1万トン、金額では40.8%増の5.63億ドル。
 一方、3月の化学肥料輸入量99.0万トン、金額3.2億ドル。

* モロッコのOCP社はケニアの第3の都市Kisumuに化成肥料工場を建設するためにケニア政府と交渉している。近年、OCP社は肥料事業の拡張先としてアフリカを選定し、各地で化成肥料またはBB配合肥料工場の建設を進んでいる。

* サウジアラビアの国営石油会社Saudi Aramco社は同じサウジアラビアのSabic社の70%株式を買収し、子会社にすると発表した。Sabic社はその株式の70%がサウジアラビア公共投資基金に所有されており、残りの30%は民間人または投資ファンドが持っている。Saudi Aramco社はサウジアラビア公共投資基金が持つ70%の株式を約691億ドルで全部買い取り、民間が持つ30%株式を追加買収する計画がないという。

* ロシア第2の石油会社Luk Oil社はロシアのAmmoni社からMendeleevsk窒素肥料工場を買収すると発表した。買収金額10億ドル。Mendeleevsk窒素肥料工場の生産能力が尿素71.75万トン、硝安38万トン、メタノール23.38万トン。2016年完成稼働後、赤字続きである。Luk Oil社は自社所有の豊富な天然ガス資源を活用するため、2018年にStavrolen, Budennovsk市にアンモニアと尿素工場を建設する計画を打ち出したが、実施に移行されていない。今回の買収はLuk Oil社にとって初の化学肥料分野への参入である。

* 4月3日開札されたインドMMTC社の尿素入札は、37.2万トンの購入を契約した。すべて中東産で、イランと中国産尿素がない。

* インドが2つのDAP入札を行った。合計数量12.6万トン、契約価格がCFR394~396ドル/トン、落札したのはロシア産のものである。また、インドのNFL社がサウジアラビアのSabic社から28万トンDAPの購入契約を締結した。CFR価格が不明。

* 4月に入ってりん安の市況が低迷しつづいているが、取引が活発になっている。東半球では、パキスタンも中国に対してDAPのCFR397ドル/トンを拒否し、更なる値下げを要求している。インドネシア向けの中国DAPのFOB価格が380ドル/トンに下落した。中国メーカーがインド輸入商社に打診して、DAPのFOB価格を380ドル/トン以上に維持するよう要請している模様。
 西半球では、ロシアのEuroChem社がブラジルにCFR395~400ドル/トンで3万トンMAPとDAPを販売した。アルゼンチン向けのCFR価格がさらに5ドル/トン高くなる。また、サウジアラビアが15万トンMAPをブラジルとアルゼンチンに輸出した。現在、粒状MAPのCFRブラジル価格が390ドル/トンまで下がっている。ロシアのPhosAgro社も中米に1万トンDAPを輸出した。

* 中国統計局のデータによれば、2016年から中国化学肥料使用量が減り続いている。2015年化学肥料使用量が6025.5万トン(N、P2O5、K2O換算、以下同)、2016年に約41.5万トン減少し、5984万トンになった。2017年にさらに5859.4万トンに減少した。2018年に化学肥料使用量が5100万トン、さらに4.9%減少したと推定される。

* ロシアのPhosagro社はロシア政府を通じてトルコ政府にロシア産化学肥料の輸入関税を削減するよう要請した。現在、トルコがロシア産化学肥料に6.5%の関税を徴収している。ロシア側はその輸入関税を撤廃するかまたはWTOの協定関税に引き下げることである。トルコが国内農業のために毎年多量の化学肥料を輸入している。

* 3月27日行い、4月3日開札されたインドMMTC社の尿素入札は、応札量110万トン、最低応札価格はCFR東海岸262.4ドル/トン、CFR西海岸251.4ドル/トンである。最低応札価格はすべて中東湾岸産である。1月に行った前回の尿素入札に比べ、応札価格がそれぞれ33.4ドルと38.4ドル安くなっている。なお、今回の尿素入札もイラン産尿素を排除した。

* 中国大手上場肥料各社は2018年の業績を公表した。概して増収増益である。それぞれの業績は下記の通りである。
 りん酸肥料大手の雲天化は売上高529.8億人民元(約79億ドル)、純利益1.23億人民元(約1836万ドル)。
 窒素および化成肥料大手の魯西化工は売上高212.8億人民元(約31.76億ドル)、純利益30.67億人民元(約4.58億ドル)。
 窒素肥料大手の華魯恒昇は売上高134.6億人民元(約20.09億ドル)、純利益30.20億人民元(約4.51億ドル)。
 化成肥料大手の雲図控股は売上高78.7億人民元(約11.75億ドル)、純利益1.75億人民元(約2612万ドル)。
 窒素肥料大手の華昌化工は売上高58.1億人民元(約8.67億ドル)、純利益1.45億人民元(約2164万ドル)。
 化成肥料大手の史丹利は売上高56.9億人民元(約8.49億ドル)、純利益2.09億人民元(約3119万ドル)。
 りん酸肥料大手の司爾特は売上高32.4億人民元(約4.84億ドル)、純利益3.06億人民元(約4567万ドル)。
 りん酸肥料大手の澄星股分は売上高31.5億人民元(約4.70億ドル)、純利益0.19億人民元(約283万ドル)。
 化成肥料大手の芭田股分は売上高22.8億人民元(約3.4億ドル)、純利益赤字0.1億人民元(約149万ドル)。
 りん酸と化成肥料大手の魯北化工は売上高6.6億人民元(約9851万ドル)、純利益0.94億人民元(約1403万ドル)。

* EU議会は新しい肥料法律を通過した。当該新法律はすべての肥料と肥料関連資材(化学肥料、有機肥料、土壌改良材、栽培用培地など)を包括するもので、EU加盟国理事会の許可を得て、現行肥料法律に代えて2022年から実施する予定。
 現行肥料法律に比べ、新法律は下記の3分野で修正を行った。
 1. 植物用の生物刺激物質の定義を明確にする。植物用の生物刺激物質は肥料ではないが、植物の養分吸収能力を促進し、植物または植物根の養分利用効率を高め、環境耐性を増強し、収穫物の品質を向上させる効果のある物質と定義する。また、植物用の生物刺激物質は農薬ではなく、独立分野の物質に分類する。
 2. EU域内における有機肥料の流通と使用の拡大を目指して、有機肥料と廃棄物から生産された肥料の管理基準を統一する。
 3. 一部の重金属に統一の制限値を設ける。今まで、肥料の重金属制限値は加盟国に任せているが、EU全域に統一の制限値を設定する。例えば、リン酸肥料のカドミウム含有量を60ppmに制限するが、20ppm以下の肥料は低カドミウム肥料として宣伝販売することができる。

* 3月21日、中国江蘇省塩城市の響水化工工場団地で重大な爆発事故(死者78名、負傷者600名以上)を発生したことを受け、江蘇省政府は大規模な化学工場閉鎖策を打ち出した。2022年まで、現在の50ヶ所化学工場団地を30ヶ所閉鎖させ、20ヶ所にする。化学工場の数も2020年末に2000ヶ所、2022年末には1000ヶ所まで削減する。
 2017年現在、江蘇省には化学工場が約5000ヶ所あり、年間売上高2兆人民元(約32兆円)、中国各地域の第2位である。