管理人より

 このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
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1月の国際化学肥料ニュース

* 1月第3週(17~23日)の国際尿素相場は下落が続いている。その理由は、シーズンピークに近づき、市場では尿素の購入をできるだけ長く延期するバイヤーが多く、オファーがさらに減ったためである。
 西半球ではバルト海、中東、北アフリカの一部のメーカーは、FOB価格を12月にピークに達した時点より約200ドル/トン低い価格でバイヤーを呼び止めようとしている。バルト海からの報告によれば、昨年12月にFOB900ドル/トン台に達した価格が660ドル/トンまで下がった。アメリカもFOB Nolaの価格は545ドル/トンに下がり、前週よりさらに約30ドル/トン安くなった。
 東半球では、インドが2~3月に新の尿素国際入札が行わないと推測され、バイヤーは絶対に必要になるまで、または価格が安定するまで尿素の購入を予約しない。中国の尿素輸出規制が続いているが、その影響が次第に弱くなっている。

* カナダのFox River Resources社はオンタリオ州ハースト近郊にある同社100%所有のMartisonリン酸プロジェクトに関する予備経済評価(PEA)の最新情報を提供した。当該リン酸プロジェクトは年間400万トンリン鉱石の採掘と選鉱能力、50万トンりん酸と15万トンスーパーリン酸、48万トンMAPと25万トンDAPなど計95万トン化成肥料の生産能力を計画している。

* マレーシアのPETRONAS Chemicals Group Berhad(PCG)は、マレーシアのクダ州グルンに年間生産能力6万トンのメラミン工場を建設し、東南アジアで唯一のメラミン生産者となることを発表した。このプロジェクトは子会社であるPETRONAS Chemicals Fertilizer Kedah(PCFK)が生産した尿素を原料にしてメラミンを製造する。2024年に稼働開始という計画である。

* アメリカの調査会社DTNによれば、2022年1月第1週(3~9日)のアメリカの化学肥料小売価格が上昇し続いているが、その上昇幅が小幅に留まった。各主要肥料の平均小売価格は次の通りである。無水アンモニア1430ドル/トン(史上最高値)、尿素913ドル/トン(史上最高値)、UAN28(尿素硝安液肥、N含有量28%)584ドル/トン(史上最高値)、YAN32(尿素硝安液肥、N含有量32%)679ドル/トン(史上最高値)、DAP863ドル/トン、MAP931ドル/トン、塩化加里807ドル/トン。窒素肥料が軒並み史上最高値を記録した。

* 中国税関の速報によれば、2021年12月中国化学肥料輸出量が前年同期より42%減の167万トン、その内訳は尿素が93.1%減の4万トン、硫安が46%増の146万トン、DAPが93.9%減の3万トン、MAPが80%減の3万トン。中国政府の「法定検査」は化学肥料の輸出制限に効果が表れた。一方、2021年1~12月中国化学肥料輸出量が13.1%増の3299万トン、そのうち尿素が2.9%減の529万トン、硫安が23%増の1065万トン、DAPが9.1%増の625万トン、MAPが49.6%増の379万トン。
 2021年12月中国の化学肥料輸入量が前年同期より45.6%減の37万トン、その内訳は塩化加里が48.2%減の29万トン、NPK化成肥料が22.3%減の7万トン、塩化加里輸入量の落ち込みが目立つ。一方、2021年1~12月中国の化学肥料輸入量909万トン、そのうち塩化加里輸入量が13.3%減の757万トン、NPK化成肥料輸入量が14%減の121万トン。塩化加里の輸入大幅減は中国国内塩化加里不足を引き起こし、価格の高騰の最大要因となった。

* オーストラリアのCBH社は本拠地の西オーストラリア州Kwinanaに新しい粒状肥料及び尿素硝安液肥(UAN)の貯蔵施設の建設を開始すると発表した。その計画は55000トンの粒状肥料を貯蔵する倉庫、既存のKwinana穀物ターミナルの突堤にUAN船の荷降ろしと移送のパイプライン、2つの16,000トンのUAN貯蔵タンクを建設し、2023年完成する予定である。

* 1月第2週(10~16日)の尿素国際相場が下がり続いている。12月下旬インドIPL社の最新入札が終了してから、ほかの主要市場の需要はまだ出ていないため、世界の尿素市場は調整局面に入り、弱気な感情が市場を巻き込んでいる。
 西半球では、エジプト産尿素が1月出荷分をFOB800ドル/トンを売り出しているが、買手が見つかっていない。アメリカのFOB Nola価格が1月1週目からさらに100ドルも下がり、570ドル/トン台になり、CFRブラジルも700ドル/トン台まで下がった。ロシアやウクライナ産尿素のFOBバルト海の価格がまだ強気で780ドル/トンを要求している。
 東半球では、中国尿素の輸出がまだ厳しく制限されている局面に東南アジア産尿素が若干の値下げに留まっている。

* 中国産リン安の輸出制限がやや緩くなっている。2021年12月から続々少量のDAP輸出が許可された。1月上旬に30数万トンDAPが「法定検査」をパスして、輸出に備える噂があるが、これらのDAPはほとんど昨年10月に税関に輸出を申請している案件である。但し、1~3月は中国の春シーズン肥料需要期で、輸出が許可されてもその数量に期待できないという観測もある。

* ノルウェーのYara社はスウェーデンの肥料販売会社Lantmännen社と商業協定を結び、Yara社のグリーンアンモニアを原料とする化石燃料を全く使用しない肥料をLantmännen社がスウェーデンの農家に販売する。

* 2021年12月13日、国連食糧農業機関(FAO)と国際肥料工業協会(IFA)が覚書を締結した。その内容はFAOとIFAが協力して、食品の安全性と肥料の安全な使用を向上させるために開発された肥料コードの世界的な普及及び特定の地域における規範の規定の実現可能性、実用性、および実施を評価することに加え、土壌肥沃度の評価、肥料の持続可能な使用、証拠に基づく意思決定を支援するためのFAO統計の継続的な改善など、持続可能な食糧と農業の分野における協力を促進する。

* ノルウェーのYara社はアメリカとEUが実施しているベラルーシ産加里の輸出制裁に応じ、ベラルーシ産加里の調達量を縮小し、2022年4月1日からベラルーシ産加里を完全に購入しないことを発表した。

*  1月7日中国とパキスタンが15万トン尿素の輸出を契約した。1月に5万トンを輸出し、その価格はCFR610ドル/トンに設定する。2月に10万トンを輸出し、価格が未定である。これは中国政府が友好国への援助性輸出行動で、化学肥料の輸出「法定検査」を緩めたものではないとも強調した。

* 1月第1週、北米の尿素相場が大幅に下落した。1月7日のGreen Markets北米指数が12%も下落し、2009年以来最大の日下落幅である。その理由は12月23日開札されたインドの尿素国際入札にインド側が115万トンを購入して、3月まで新しい尿素を購入する必要がないことに加え、南米も化学肥料の需要が一段落して、欧州の天然ガス価格が下落し、尿素の生産量が回復されるだろうとの観測がある。すでにアルジェリア、エジプト、ナイジェリアと中東には大量の尿素在庫があり、CFRブラジルが820ドル/トン、主要輸出国の尿素FOB価格が軒並みに850ドル以下になった。

* 世界の尿素市場はインドIPL社の最新入札結果の影響を受け、2022年に入ってから大幅な軟調を示している。中東ではFOB860ドル/トン以下に下がり、マレーシアも1月上旬に2件の尿素も同レベルで契約した。ロシアとウクライナ産尿素はさらに低くFOB810~820ドル/トン以下に下がった。エジプトの大粒尿素もFOB850ドル/トンで売り出すが、買手が見つからない。アメリカのFOB Nola価格が12月より120ドル安く、615ドル/トンに下がったとの情報がある。

* 2021年12月31日、中国資本のラオス開元鉱業はラオスのカムムアン県に第2期150万トン塩化加里プロジェクトのフェーズ1(年間生産能力50万トン塩化加里)の着工式を行った。ラオス開元鉱業はすでに第1期50万トン塩化加里プロジェクトを完成し、生産を開始して、第2期フェーズ1は2023年に稼働する計画である。

* ロシアのEuroChem社はブラジルの大手肥料販売業者であるFertilizantes Heringer SAの51.48%の株式を購入する契約に署名したことを発表した。Fertilizantes Heringer社はブラジルに14カ所の肥料流通センターを持ち、年間150万トン肥料を販売する実績がある。近年、EuroChem社はブラジルの肥料事業に積極的に参入して、2020年8月Fertilizantes Tocantins(FTO)を買収し、2021年8月ミナスジェライス州にあるリン酸塩プロジェクトSerra doSalitreを買収する契約を締結した。