管理人より

 このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
 最新の月のニュースだけを掲載します。月が替わると、前月のニュースは旧聞となり、PDFファイルに整理され、文献資料として残します。読みたい方は、左側の月別をクリックしてください。

 ( )で囲まれる月はまだ到来していないものであるため、クリックしても表示しません。ご注意ください。

8月の国際化学肥料ニュース

* 7月31日、カタールの国営QatarEnergy Marketing社は、8月のカタール硫黄価格を7月と変わらず、FOB890ドル/トンであることを決定した。ただし、7月18日アメリカとイランの紛争再燃以降、硫黄を積載する船のホルムズ海峡通過が確認されていない。

* 8月3日、バングラデシュ農業省は、2026年7月~2027年6月の26/27会計年度のDAP、TSP、塩化加里の購入入札を行い、8月18日締め切りとする。農業省はDAP50万トン、TSP20万トン、塩化加里25万トンを購入する計画で、機会均等のために、民間輸入業者1社あたりに最大応札量はDAP4万トン、TSP3万トン、塩化加里3万トンである。バングラデシュは通常、会計年度開始前に民間部門向けの入札を発行するが、近年は財政問題で遅延が続いている。

* 8月4日、クウェートの国営KPC社は8月のクウェート硫黄FOB価格を865ドル/トンに設定した。7月のFOB950ドル/トンから85ドル値下げした。
 同じ8月4日、アブダビの国営企業Adnoc社は8月の硫黄FOB価格を7月と同じ1000ドル/トンに設定した。

* 中国政府は2026年第2回の尿素輸出割当数量を尿素メーカーと輸出商社に内密で通知した。第2回の輸出割当数量200~250万トン、輸出期間は8~12月である。5月26日に通知した第1回の尿素輸出割当数量300万トンに加えて、2026年の中国尿素輸出数量が500~550万トンとなる。

* 2026年上期(1~6月)アメリカのアンモニア輸出量が前年より55%増の104万トンに達した。輸出増の主な原因はテキサス州での新規生産能力の稼働、ホルムズ海峡の閉鎖により中東産アンモニア輸出の停滞、北アフリカの需要増など、アメリカ産アンモニアに対する需要が高まったためである。

* COMEXの速報によれば、2026年7月のブラジル尿素輸入量が昨年同期より12%増の60万トンに達し、2023年以来7月の最高水準である。

* アメリカのMosaic社は2026年第2四半期の業績を発表した。売上高が7%減の28億ドル、調整後EBITDA4億700万ドル、純損失2億7300万ドルである、肥料部門では、加里肥料販売量が13%減の200万トン、りん酸肥料販売量が7%減の140万トン、化成肥料などの販売量が32%減の150万トン。赤字の最大要因はMosaic社が持つサウジアラビアMa'aden社の株式減損1億6,200万ドル、非現金プロジェクト償却6,900万ドル、外貨取引損4,900万ドルを含む税引き前損失3億5100万ドルの影響である。

* アメリカのCF Industies社は2026年第2四半期の業績を発表した。窒素肥料価格の上昇を受け、売上高が17.6%増の22億2200万ドル、調整後EBITDA11億9200万ドル、純利益7億2700万ドル。

* イスラエルのICL社は2026年第2四半期の業績を発表した。売上高が16.5%増の21億3500ドル、調整後EBITDAが27.6%増の4億4900万ドル、純利益が35.5%増の1億4900万ドル。主力の加里事業では、生産量105.8万トン、販売量108.1万トンである。

* 中国からの情報によれば、2026年上期(1~6月)に2か所計134万トンの新規尿素プラントが完成し、稼働し始めた。下期(7~12月)にさらに9か所の尿素新規プラントが完成する予定で、年間生産能力が547万トン増加する。また、下期(7~12月)に9か所の化成肥料プラントが完成し、年間生産能力320万トン増加する。新設の尿素工場および化成肥料工場は表に示す。
 2026年下期中国新設尿素プラントのメーカー、所在地と生産能力
  メーカー名     所在地       原料  生産能力 稼働予定時期
新疆タリム石油化学   新疆コルラ市   天然ガス 80万トン 2026年7月
河南心連心化学工業   河南省新郷市   石炭   80万トン 2026年8月
河北正元水素エネルギー 河北省滄州市   石炭   52万トン 2026年9月
劉化化工        甘粛省白銀市   石炭   35万トン 2026年10月
建元石炭コークス化工 内モンゴルオクト旗 石炭   40万トン 2026年10月
新疆昊源化工      新疆ジムサル県  石炭   100万トン 2026年11月
新疆心連心能源     新疆マナス県   石炭   80万トン 2026年11月
山西蘭花科技      山西省晋城市   石炭   30万トン 2026年12月
新疆奥福化工      新疆クチャ市   天然ガス 50万トン 未定

 2026年下期中国新設化成肥料工場のメーカー、所在地と生産能力
  メーカー名       所在地    生産能力 稼働予定時期
史丹利農業広西      広西省貴港市  30万トン 2026年
新洋豊農業科技      安徽省蚌埠市  30万トン 2026年
広西雲図新材料      広西省貴港市  30万トン 2026年
滄州天化肥業       湖北省荊州市  70万トン 2026年
新疆心連心能源      新疆マナス県  50万トン 2026年
河南金山肥業       河南省舞陽県  40万トン 2026年
界首昊源化工       安徽省界首市  20万トン 2026年
河北春潮生物科技     河北省晋州市  20万トン 2026年
施可豊(吉林)生態農業科技 新疆クチャ市  30万トン 2026年

* 多国企業が構成したORNXモロッコはモロッコ初の低コストアンモニアプロジェクト開発のためにモロッコ政府と予備土地留地協定(CPRF)を正式に締結した。Laâyouneに位置するORNXプロジェクトは、年間56万トン低コストアンモニアを生産し、肥料原料として供給する計画である。

* トルクメニスタンの国営Turkmenhimiya社はDashoguz州に硝安と尿素生産複合施設を建設する。生産能力と投資額が不明である。

* メキシコのGPO社はSinaloa州Topolobampoに建設中のアンモニア工場がすでに工事の80%が完成され、2027年から商業生産を目指すことを発表した。Topolobampoアンモニア工場は年間生産能力80万トン、投資額16億ドル、稼働開始後、ラテンアメリカ最大のアンモニア工場となる。

* アメリカのCF Industries社と日本のJERA社、三井物産が共同でルイジアナ州に約37億ドルを投資し、世界最大規模となる生産能力年間約140万トンのBlue Point低炭素アンモニア工場の建設が開始された。天然ガスを原料にして、アンモニア製造過程で発生したCO2を回収・輸送・貯留する技術を採用する。2029年完成・稼働する予定である。

* 国連報道官Stephane Dujarric氏はArab News誌のインタビューに、国連がすでに数か月前に世界の食糧危機を回避するために、ホルムズ海峡の船舶安全通行を確保する緊急対策を策定したと述べた。また、特別タスクフォースは商業船舶の封鎖が発生した場合にこの計画を迅速に発動できるが、これには交戦当事者の合意が必要だと語った。この緊急対策は関係者の間に数ヶ月にわたる協議を経て策定され、加盟国、特に肥料輸入に依存し、脆弱な立場にある国々から圧倒的な支持を得ているとも述べた。しかし、緊急対策の発動は依然として紛争当事者およびより広範な地域関係者の意思にかかっていると付け加えた。
 また、国連UNOPSの執行官Jorge Moreira da Silva氏は食糧危機を防ぐために肥料や関連原材料の輸送に特に重点を置き、ホルムズ海峡を船舶が安全かつ秩序正しく予測可能な形で通過することを促進することを目的とした実用的なメカニズムを開発したと述べた。

* 中国窒素肥料工業協会は北京で主要尿素メーカーと流通企業の座談会を開催した。会議では、尿素の生産・販売における現状(価格低迷、過大の流通在庫、輸出不振など)と既存の問題点について議論された結果、市場の期待を安定させ、市場の信頼を高めることについて、以下の合意が得られた。
 1. 現在の尿素価格はコストと著しく乖離しており、適正な範囲を下回っているので、市場価格の安定化と回復を促進するための措置を講じるべきである。
 2. 新年度の国家肥料商業備蓄目標が明確化される以降、備蓄を担当する企業は尿素の備蓄を加速させ、流通チェーンの緩衝機能を強化するよう奨励すべきである。優れた実績を上げた企業には報奨を与えるべきである。
 3. 尿素の輸出は、国内供給と価格の安定を支えるための必要な措置である。今後は、国内外の需要と価格の差を考慮した上で検討すべきである。港湾在庫の削減、検査効率のさらなる向上、港湾検査の開放といった措置を検討すべきである。
 4. 国内供給が著しく過剰になった場合、窒素肥料工業協会は中央政府の過剰供給対策に関する指針と要求事項を積極的に実施する。関係部門の指導を受け、メーカーは秩序ある自主的な生産体制を構築し、生産量を削減することで需給バランスを改善し、基本的な均衡状態を達成し、価格が適正水準に回復するよう努める。必要に応じて、積極的に対応し自主的に生産量を削減した企業には相応の報奨金を与える。
 5. 流通企業および複合肥料メーカーは、秋の肥料生産に備え、市場での買い付けに積極的に参加し、シーズン後半における買い付けの集中による過度な価格変動を避けるべきである。
 6. 尿素の先物を取り扱う鄭州商品取引所は、尿素先物投資家への指導を強化し、先物価格がファンダメンタルズから大きく乖離した場合には、速やかに規制措置を導入することを推奨する。

* アメリカのAir Products社はサウジアラビアのNeomアンモニア工場が生産するグリーンアンモニアについて、ノルウェーのYara社と販売契約を締結したことを発表した。Neomアンモニア工場が年間グリーンアンモニア生産能力120万トン、2027年に稼働する計画であるが、製品の販売先が決まっていないため、Air Products社は「長期の試運転プロセスにと止まり、本格生産に移行するまでには時間がかかると発表した。
 なお、2026年7月、Air Products社は天然ガスから約60万トンクリーン水素を生産する予定だったルイジアナクリーンエネルギーコンプレックス(LCEC)の開発継続計画を中止した。

2026年化学肥料ニュース