管理人より

 このページに掲載される「国際化学肥料ニュース」は、管理人がインターネット、各国の紙媒体から収集した化学肥料に関するニュース等を要約し、日本語に訳したものです。
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1月の国際化学肥料ニュース

* ブラジルの国営肥料供給社(Conab)の最新発表資料によれば、2025年ブラジルが4550万トン化学肥料を輸入して、前年より2.68%増加した。2025年化学肥料輸入先のトップ5か国はロシア(32.2%)、中国(26.1%)、カナダ(10.1%)、アメリカ(7.1%)、モロッコ(6.4%)である。ロシアと中国からの輸入数量がそれぞれ3.3%と37%増加し、アメリカからの輸入数量が18.7%減少した。

* 1月19日、インドネシアの国営肥料会社Pupuk社はアルジェリアのりん鉱山会社Somiphos社と年間最大100万トンのリン鉱石を輸入する初期契約を締結したと発表した。Somiphos社は現在、年間りん鉱石採掘能力が200万トンであるが、2027年には300万トンに達するよう拡張する計画を立てている。Pupuk社はアルジェリアからのリン鉱石輸入は、インドネシアの肥料生産用原材料ソースを強化し、持続可能な食料自給という同国の目標を支えると述べた。
 インドネシアはりん資源がなく、りん酸塩を完全に輸入に依存している。Global Trade Trackerのデータによると、インドネシアは2025年1~11月に140万トンのりん鉱石を輸入し、そのうち60%以上がヨルダンからの輸入である。2024年に貿易業者を通じてアルジェリアから16.9万トンのりん鉱石を輸入していたが、2025年輸入がない。今回の契約は安定的なりん鉱石輸入先を確保する意義が大きい。

* タイの APOT社はタイ東北部のチャイヤプーム県に加里鉱山の開発を行う。APOT加里プロジェクトは年間生産能力123.5万トン塩化加里と40万トン塩化ナトリウムに設計され、中国化学工程社の東華工程科技社が建設工事を受注した。
 タイとラオスを跨るKhorat盆地に豊富な加里資源を有し、1989年タイ政府はチャイヤプーム県に加里資源の開発を決め、1991年にAPOT社が設立し、日本のODA援助で試掘を行った。しかし、1997年の東南アジア金融危機により中断された。2010年以降のラオス加里資源の開発成功に刺激され、再び動き出した。

* アメリカのCF Industries社とバイオ燃料の最大手生産者であるPOET社は、大手農業協同組合と共同で低炭素肥料サプライチェーンを構築するためのパイロットプロジェクトを立ち上げた。このパイロットプロジェクトの目標は、低炭素窒素肥料の使用によってトウモロコシ栽培に窒素肥料の二酸化炭素炭素排出量を大幅に削減し、自動車燃料や輸出用の低炭素エタノールを生産する可能性を実証することである。
このプロジェクトには、上記2社のほか、アメリカの農作物資材および情報ビジネス会社 Win Field United社、農業協同組合 NuWay-K&H、New Cooperative、Farmer's Cooperative が参加している。CF Industries社はルイジアナ州Donaldsonville Complex工場に生産されるブルーアンモニアを原料に製造した低炭素肥料をアイオワ州、ミネソタ州、ミズーリ州、ネブラスカ州のトウモロコシ生産者に販売する。POET社はこれらの低炭素肥料を使用して生産されたトウモロコシをエタノール生産に供し、低炭素エタノールを推定 500 万~ 600 万ガロン生産する予定である。プロジェクトは、2025年秋に低炭素アンモニア肥料の最初配布と施用を完了した。

* 1月第4週(19~25日)の尿素国際相場は大幅に上昇した。その理由はインドNFL社の尿素国際入札に約100万トンしか契約されず、2月に再度尿素国際入札を行う推測があり、イランの内乱により尿素生産と輸出が大幅に減少し、2025年中国尿素の輸出割当枠がほぼ消化したなどである。
 東半球では、インドネシアのPupuk社は19日に終了した4.5万トン大粒尿素の販売入札に最高FOB430ドル/トンの応札が3件もあり、カタールのQatarenergy社は1月22日に終了した3万トンの小粒尿素販売入札に最高CFR440ドル/トンの入札がある。サウジアラビアのSabic社はFOB435ドル/トンで2.5万トン小粒尿素、イランのPardis社は前回より23ドル高いFOB420ドル/吨で2万トン大粒尿素を販売した。
 西半球では、エジプト産大粒尿素がFOB455~470ドル/トンでヨーロッパに6万トン以上を販売し、アルジェリア産大粒尿素がさらに高いFOB475ドル/トンを要求している。ナイジェリアのDangote社は21日にFOB440ドル/トンで3万トン大粒尿素を販売した。ただし、南米の尿素需要シーズンが終了し、大粒尿素のCFRブラジル価格が425~440ドル/トンでやや上昇した。

* アメリカ商務省はモロッコとロシアからのリン酸肥料に徴収する反ダンピングおよびカウンターボーイリング関税(CVD)を見直して、撤廃する可能性があると表明した。2020年、アメリカのMosaic社がモロッコとロシアからの不当に廉価のリン酸肥料をアメリカに輸出し、アメリカのりん酸肥料業界に重大な打撃を与えているとして当局に提訴し、2021年3月にモロッコOCP社のりん酸肥料に19.97%の関税を課し、ロシアPhosAgro社とEuroChem社のりん酸肥料はそれぞれ9.19%と47.05%の関税を課した。
 しかし、アメリカのりん酸肥料生産不足による価格高騰が農家の肥料購入負担増につながる。2025年10月、アイオワ州選出のチャック・グラスリー上院議員(共和党)は上院司法委員会公聴会に於いて、農家の生産資材コストを軽減するために、モロッコ産リン酸肥料に対する反ダンピングの撤廃を要求した。商務省はアメリカ国際貿易委員会(ITC)に委託して、反ダンピングおよびカウンターボーイリング関税(CVD)の再審査を行うことになる。なお、ITCは通常、再審査開始日から360日以内に結論を出す。

* 1月21日、アメリカのMosaic社はブラジルでの過りん酸石灰の生産をさらに30日間停止することを発表した。Mosaic社は硫黄価格の高騰により、昨年12月16日からパラナ州にあるFospar工場とミナスジェライス州にあるAraxa工場の過りん酸石灰の生産を30日間緊急停止の決定を下した。発表時にMosaic社は「いつ過りん酸石灰の生産再開に関しては、今後数週間の市場状況を見て決める」という。CFRブラジルの硫黄価格は、昨年1月中旬の358ドル/トンから12月初旬の510~515ドルに上昇し、今年1月上旬にさらに540~550ドル/トンに達し、150%以上も上昇した。

* EUのアンモニア業界団体Ammonia Europeは、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)が肥料に与える影響を緩和するために、最恵国(MFN)のアンモニア輸入関税を撤廃する欧州委員会の提案を非難した。
 EUは1月7日のEU農業大臣会合後、アンモニアと尿素の標準輸入関税を一時停止する計画を発表し、他の肥料製品への適用拡大も排除されないことを発表した。Ammonia Europeの声明は「輸入関税の撤廃は、EU化学部門の生産能力閉鎖リスクへの対応や、EUの排出取引制度で欧州生産者が支払う炭素コストと同等の炭素コストを負担しない非EU生産者との公正な競争を確保する努力を損なうものである。MFN関税の撤廃はこの構造的な問題を解決するものではなく、輸入品に対してより安価なエネルギーとより高い炭素集約度をもたらし、最終的にはEUの産業基盤をさらに弱体化させ、ヨーロッパの競争力低下をさらに悪化させるリスクがある。」と述べている。

* ブラジル国営Petrobras社は所有のSergipe窒素肥料工場とBahia窒素肥料工場が1月から尿素生産が開始し、国の肥料生産の将来を確保したと報告した。セルジペ州Laranjeiras市にあるSergipe窒素肥料工場は尿素生産能力1,800トン/日で、2025年12月31日からアンモニア生産を開始して、2026年1月3日に尿素生産を開始した。バイーア州Camaçari市にあるBahia窒素肥料工場は尿素生産能力1,300トン/日で、先月メンテナンスを完了し、試運転に入り、1月末までに尿素生産を開始する予定である。パラナ州Paraná市にあるもう一つのPetrobras社所有の稼働中のANSA窒素肥料工場を加えて、生産量がブラジル全体の尿素需要の20%に相当する。マット・グロッソ・ド・スル州に建設中の新工場を含め、今後数年間で国内尿素生産量が需要量の35%を満たす見通しとなる。

* 1月20日、中国青海省政府は格尔木藏格钾肥有限公司(Golmud Zangge potash社)の年間塩化加里生産枠を200万トンから120万トンに減らすことを発表した。その理由は持続的開発を目指して、過度採収による塩湖資源の劣化を避けることである。民間資本の格尔木藏格钾肥有限公司は中国2番目の塩化加里メーカーで、青海省にあるチャルハン塩湖の鹹水を原料に年間約200万トン塩化加里を生産している。

* 1月第3週(12~18日)の尿素国際相場はイランの政局不安定による尿素生産と輸出への影響およびアメリカ尿素価格の高騰を受け、引き続き上昇しつつある。東半球では中東産大粒尿素のFOB価格が420~425ドル/トン、インドネシア産大粒尿素のFOB価格が415~425ドル/トンに達した。イラン尿素もFOB400ドル/トンに上がった。
 西半球ではアルジェリア産尿素のFOB価格が420~430ドル/トン、ロシア産大粒尿素のFOB価格も400ドル/トンを突破した。また、大粒尿素のCFRブラジル価格が420~435ドル/トンに上がった。

* インド政府の統計データによれば、2025~2026肥料年度の尿素販売量が過去最高になる可能性がある。これは作物栽培面積の増加およびDAP不足により尿素需要が押し上げられるためである。2025年4~12月の国内尿素販売量が昨年同期より約120万トン増加し、3120万トンに達した。2025年4~12月の国内尿素生産量が前年の2320万トンから2240万トンに減少し、輸入量が前年の430万トンから800万トンに増加した。2025年12月末の尿素在庫量が530万トン、11月末の710万トンより大幅に減少した。
 一方、2025年4~12月の国内DAP販売量が昨年同期より約4%減の799万トン、重過リン酸石灰を加えて、計856万トンとなり、前年同期の約861万トンとほぼ同じである。化成肥料では2025年4~12月の国内販売量が1174万トン、前年とほぼ同じ数量である。2025年4~12月の国内化成肥料生産量が13%増の927万トン、輸入量が122%増の330万トンである。

* 中国税関の速報によれば、2025年12月の中国化学肥料輸出量が19.2%増の341万トン、その内訳は尿素が12000%増の27.8万トン(2024年2月は0.23万トン)、硫安が12.6%増の199.7万トン、DAPが26.8%減の15.6万トン、MAPが29.7%減の9.7万トン。なお、2025年1~12月の中国化学肥料輸出量が44%増の4627万トン、輸出金額が57.9%増の137.55億ドル、その内訳は尿素が1778.1%増の489万トン、硫安が24.7%増の2136万トン、DAPが23.8%減の348万トン、MAPが6.3%減の188万トン。
 一方、2025年12月の化学肥料輸入量が5.3%増の158万トン、その内訳は塩化加里が3.2%増の146万トン、NPK化成肥料が8.7%増の7.5万トン。2025年1~12月の化学肥料輸入量が0.7%減の1401万トン、輸入金額が5.6%増の48.21億ドル、その内訳は塩化加里が0.1%減の1261万トン、NPK化成肥料が4.5%減の117万トン。塩化加里の年間輸入量が3年連続1000万トンを超えた。

* 1月9日、スウェーデンの硫酸加里メーカーCinis社は緊急融資がなければ、破産手続きに入る可能性が非常に高いと発表した。Cinis社は2024年5月スウェーデンのÖrnsköldsvik市に初めて年間生産能力10万トンの硫酸加里工場を稼働させたが、設備の欠陥と生産コストなどの問題で生産と販売目標を達成できず、資金難に陥った。2025年4月から外部資金を導入しようとするが、うまく行かず、2025年11月から生産を停止した。

* 1月13日、ルーマニアの肥料メーカーAzomures社はすべての生産を停止して、従業員600名を一時解雇した。Azomures社は年間160万トン窒素肥料と化成肥料の生産能力を有し、ルーマニア最大の肥料メーカーである。天然ガスの価格高騰により、2024年8月から肥料生産が停滞している。ルーマニアの国営天然ガス会社Romgaz社はAzomures社の買収意欲を示して、最大株主のスイスの商社Ameropa社と交渉している。

* パキスタンは硫酸加里生産能力の大幅増強に動いた。Barket Fertilizers社は2025年に年間15,500トンの生産能力を増加し、11月に硫酸加里の生産能力を年間50,000トンに拡張した。2025年10月、Suncrop Group社はパンジャブ州に年間40,000トンの硫酸加里工場の稼働を開始した。パキスタンの硫酸加里生産能力は2025年末現在年間110,000トンに達した。また、Agven社、Barket Fertilizers社とUnited Agro社は2027年末までに少なくとも年間生産能力約60,000トンの硫酸加里設備を増設する計画を立てた。なお、パキスタンの硫酸加里生産は、すべて塩化加里と硫酸を原料とするマンハイム法を採用している。

* カナダのMillennial Potash社は西アフリカのガボンに実施しているBanio加里プロジェクトに於いて最終的な実現可能性調査(DFS)を開始したことを発表した。同社は加里専門コンサルティング会社であるERCOSPLAN社に依頼して、ガボンのBanio加里プロジェクトにAACEクラス3確定的実現可能性調査を行った結果、品位16.6%の塩化加里鉱物資源量が合計2,453億トンと推定された。同社はすでに環境影響評価(ESIA)と並行して複数の技術調査およびトレードオフ調査を実施し、2026年後半に完了して、採掘ライセンス申請の一環としてガボン政府に提出される予定である。

* ドイツのUniper 社はインドのAM Green Ammonia社は非生物由来の再生可能燃料(RFNBO)として認証された再生可能アンモニアの長期拘束力のあるオフテイク契約を締結したことを発表した。本契約に基づき、Uniper 社はAM Green Ammonia社がインドAndhra Pradesh州Kakinadaに建設中の年間生産能力100万トンのグリーンアンモニアプロジェクトから年間最大50万トングリーンアンモニアの供給を受けることになる。最初の出荷は2028年に開始される予定である。

* インドFL社の尿素国際入札では1月9日現在すでに約100万トンが確定されている模様。ただし、予定の購買数量150万トンに及ばず、早期に新しい尿素国際入札を行う観測がある。

* 1月第2週(5~11日)の尿素国際相場はインドNFL社の尿素国際入札の応札状況を受け、上昇しつつある。東半球では東南アジアのブルネイBFI社は1月6~7日の尿素販売入札でFOB410ドル/トンを超えた価格で3万トン大粒尿素を契約した。中東カタールのQatarenergy社もFOB410ドル/トンで4.5万トン大粒尿素を販売した。イラン尿素は国内動乱の影響を受けず、FOB390ドル/トンで販売する。西半球ではアルジェリアのAOA社はFOB455ドル/トンで2件計4万トン大粒尿素、エジプトのMopco社もFOB450~455ドル/トンで2件の大粒尿素を販売した。大粒尿素のCFRブラジル価格が415~425ドル/トンで小幅上がった。

* 1月9日、EU委員会の貿易経済安全保障委員Maros Sefcovic氏はEUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)によって課せられる追加コストを相殺するため、アンモニアと尿素に対する標準輸入関税を停止する計画を発表した。また、EUは残りの最恵国待遇関税の停止を「迅速に」実施し、他の肥料も対象に含める可能性があると述べた。この変更は、フランスやイタリアを含む欧州の農業大臣らがコミッショナーとの会合で、CBAMが農家に与える経済的影響について警鐘を鳴らしたことを受けて行われた。
 EUでは現在、尿素の標準関税率は6.5%で、ロシア、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、ナイジェリアなどの産地に適用される。アンモニアの標準関税は5.5%で、中東とアメリカ産地に適用される。尿素についてはエジプトとアルジェリア、アンモニアについてはアルジェリアとトリニダード・トバゴなどを産地とするものは既に関税が免除されている。
 2026年1月1日に発効したCBAMは、EU排出量取引制度(ETS)またはEU ETSに完全に連動した制度の対象となっていない国から輸入されるアンモニアや窒素を含むすべての肥料など、特定の製品に炭素コストを課すものである。EUは既に2022年に尿素とアンモニアの輸入関税を6カ月間停止している前例がある。

* 1月9日、ノルウェーのYara社はEUの新しい炭素国境調整メカニズム(CBAM)が停止されれば、Yara社とアメリカのAir Products社が共同でアメリカのルイジアナ州で計画している年間280万トン規模の低炭素ブルーアンモニアプロジェクトの採算が取れず、危うくなるだろうと警告した。オスロで演説したYara社のCEO Svein Tore Holsether氏はCBAMの将来に関する不確実性が、このブルーアンモニアプロジェクトの事業計画に支障をきたしていることを認めた。

* アブダビの国営Adnoc社は2026年1月販売の硫黄FOB価格を520ドル/トンに設定し、2025年12月より25ドル高くなる。前年2025年1月のFOB価格174ドル/トンに比べ、約3倍も上昇した。りん酸肥料の生産に硫酸が欠かせないもので、硫黄の高騰はりん酸肥料の価格に大きな影響を及ぼす。

* 1月2日に締め切られたインドNFL社の尿素国際入札には26社が応札し、応札数量約362万トン(東海岸向け約159万トン、西海岸向け約202万トン)、最低応札価格はKoch社のCFR東海岸426.8ドル/トン、CFR西海岸424.8ドル/トン。前回2025年11月20日に締め切られたIPL社の尿素国際入札の最低応札価格より4.9~8.4ドル高くなった。

* 中国りん酸と化成肥料工業協会の暫定統計データによれば、2025年中国DAP生産量が6%減の1,335万トン、設備の稼働率が64.40%、2024年の67.88%より若干低下した。1~11月のDAP輸出量が23.6%減の332万トン。一方、2026年に約90万トンのDAP新規生産能力が完成し、DAP生産量が1,376万トンに増加すると予測される。ただし、2025年12月から始まった2026年8月までのりん安輸出禁止政策により、2026年のDAP輸出量が大幅に減少すると予測される。

* 中国りん酸と化成肥料工業協会からの情報によれば、2026年中国の肥料MAP生産能力は新規プラントの完成と稼働により、上半期に40万トン、下半期に20万トンの計60万トン増加し、1,917万トンに達する。また、2026年の肥料MAP生産量が1154万トンで、国内需要量約1,070万トン、輸出が約60万トンと予測される。

* 中国窒素肥料工業協会の速報によれば、2025年中国尿素の実生産量が7.9%増の7,113万トン、新記録である。

* ブラジルの国営Petrobras社は支配下のセルジペ州北東部Laranjeiras市にあるFafen窒素肥料工場の操業が12月31日に再開したと発表した。Fafen窒素肥料工場の年間生産能力はアンモニア45万トン、尿素65万トン、硫安32万トンである。
 2019年、Petrobras社は当時のブラジル政府の指示に従い、Fafen窒素肥料工場をブラジルの化学会社Unigel社にリースしていた。しかし、Unigel社が財政難に直面し、2度にわたり破産保護を申請するため、Fafen窒素肥料工場が2024年3月から稼働休止の状態となっている。Petrobras社は政府の肥料分野への投資戦略計画に沿って、2025年4月にFafen窒素肥料工場の支配権回復プロセスを開始し、操業再開に漕ぎ付いた。

* 1月5日、アメリカのWabash Valley Resources社はインディアナ州Terre HauteにWabash低炭素アンモニア工場の起工式を行った。Wabash低炭素アンモニアプロジェクトは年間50万トンのアンモニアを生産し、167万トンの二酸化炭素を回収するいわゆるブルーアンモニア工場である。韓国のサムスン E&A社がEPF(設計・調達・製造)を担当し、2029年に完成する計画である。総投資額約26億ドル、アメリカエネルギー省(DOE)と韓国国土交通部、気候・エネルギー・環境部も資金提供を行っている。

* オーストラリアのWoodside Energy社はアメリカテキサス州Beaumont市に建設しているブルーアンモニアプロジェクトのフェーズ1を完成し、試運転が開始したことを発表した。2026年初頭に商業用アンモニア生産を開始する見込みで、ブルーアンモニアの生産は年後半に開始される予定である。
 2024年8月、Woodside Energy社はオランダのOCI社から23.5億ドルでBeaumontブルーアンモニアプロジェクトを買収した。フェーズ1では年間アンモニア生産能力110万トン、フェーズ2では年間110万トンの生産能力が追加される。Woodside Energy社は2026 年からフェーズ2のFID準備を目指している。

* イタリアのNEXTCHEM社は同じイタリアの化学プラントメーカーBallestra社の全株式を買収する拘束力のある契約を締結したことを発表した。買収価格は約1億2,650万ユーロ、2026年上半期に完了する見込みである。Ballestra 社は、洗剤、界面活性剤、油脂化学製品において長年の実績を誇り、ライセンス供与、エンジニアリング サービス、独自の装置を通じて化学製品製造業者や大手日用消費財 (FMCG) 企業にサービスを提供して、その化学品部門は、肥料製造における主要原料である硫酸とリン酸の高度な製造プロセスに特化している。

* カナダ政府はArianne Phosphate社のLac à Paulりん鉱山開発プロジェクトに最大73.5万カナダドルを拠出することを決めた。資金はカナダ天然資源省(NRCan)の重要鉱物研究・開発・実証(CMRDD)プログラムを通じて提供する。Lac à Paulりん鉱山はケベック州にあり、リン鉱石は火成岩であるため、容易に精製リン酸(PPA)に加工する。生産される精製リン酸はリチウムバッテリー用のりん酸鉄リチウムに使用される予定である。

* 2026年1月1日から導入されたEUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)について、肥料を含む特定の分野に限ってその適用が一時停止する可能性を含む新たな規定に関する指針を発表する予定である。EU委員会は尿素、アンモニア、その他の肥料に対する標準輸入関税の一時的な撤廃も提案する予定である。EU委員会の貿易担当委員Maros Sefcovic氏は昨年12月に提案されたCBAMの第27 a条が「「市場状況が正当化する場合」に特定の商品に対して「一時的な停止」を認める可能性があり、その場合は2026年1月1日から遡って適用されることも可能だ」と述べた。