管理人より

 作物とは,人間が栽培して、その体の一部または全部を収穫して利用する一部有用植物のことを指す。

 人間は作物の栽培を通じて、大自然から生存に必要な食糧などを入手して、社会の発展を支え,繁栄に貢献してきた。特に,近代社会に入ってから科学技術の進歩で新品種の育成と肥料や農薬の使用、科学的な植え付け方法と施設栽培の導入など、栽培技術が格段に向上し、増え続ける人口に食糧を安定的に供給することが出来た。

 作物栽培学は栽培技術を研究して、土壌や気候などの自然環境をうまく利用し、作物の生産能力を最大限に発揮させる学問である。作物栽培学は実用性のある応用科学で、栽培技術のほか、植物生理学、遺伝学、土壌学、気象学、生態学などの知見や理論を組み合わせた応用的な学問でもある。

 市販されている多くの作物栽培学教科書は理論的なものが多く、実際の栽培技術を詳しく解説するものが少ない。本HPに掲載されている実用作物栽培学はできるだけ理論的なものを省略して、個々の作物の実際の栽培方法と技術を紹介することに重点を置き、「実用」にふさわしい誰でも理解と応用できる作物栽培学に心懸ける。

 本書は2章に分ける。第1章は作物の生育を支配する内在要素(品種)およびその生育に関わる外部要素(土壌、気候、肥料、病害虫など)を論じる。第2章は本邦の主要な作物を穀物作物、油料作物、野菜類、工芸作物に分けて、個々の実際の栽培方法と技術を紹介する。

 読者の方々に少しでもお役立てになれば、著者の苦労が報われた。

作物生育の影響要因

作物の栽培方法と技術

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